本書は、15万部超えという異例のベストセラーを記録した「株式会社アメリカの日本解体計画」のマンガ版です。本書の出版にあたり、堤未果さんが加筆した前書きをご紹介します。
「日本は今、戦時中です」と言ったら、あなたは信じますか?
戦争で使われるものは、目にみえる武器だけとは限りません。国民に届く情報を操作することで世論を作り出し、都合の良い政策を通して、公共サービスを売らせ、国力を弱めて支配する戦術があるのです。
2020年の新型コロナウィルスパンデミックの時を思い出してみましょう。
緊急事態宣言が出され、多くの国でロックダウンやソーシャルディスタンスなどの新ルールが導入されました。未知のウィルスへの恐怖でパニックになった人々は、移動を制限され、経済活動を止められ、安全試験行程を飛ばしたワクチンを「大切な人を守るために」という謳い文句と共に打たされたのです。
けれど実は私たちが知らされていないだけで、この時期世界と日本の両方で、とても重要なことが進められていたのをご存知でしょうか?
新型コロナウイルスの蔓延よりも、はるかに恐ろしい出来事が、じわじわと私たちの日常に忍び寄っていたことを。一体何故日本の政府とマスコミは、感染防止効果がなく、様々な副反応が問題視され、各国で集団訴訟が続出しているコロナワクチンを大量購入し、今も自国民に勧めているのでしょう?
コロナ禍で国内の農家が廃業を余儀なくされている時に、わざわざ外国からの輸入を増やし、いきなり〈昆虫を食べましょう〉と謎のコオロギキャンペーンを繰り広げ、参入企業に補助金を出し始めたのは何故でしょう?
各国が自国の食や水の安全保障に力を入れている中、あえて食品表示から「天然」の文字を削除したり、遺伝子組み換え食品の表示を無くしたり、欧州を始め世界が慎重になるゲノム食品の表示なしの商業販売を率先して許可したのは、一体誰のためでしょうか?
あれだけトラブルが続出しているマイナンバーカードも、一旦止めて見直すどころか紙の保険証廃止を強行し、セキュリティに不安がある状況で私たちの大事な個人情報紐付けを急かすのも、不可解としか言いようがありません。
そして肝心のマスコミは、こうした問題を追及するどころか、政府側に立った報道を繰り返し、政府やWHOの見解に疑問を投げる投稿は「陰謀論」とレッテルを貼られてしまう。こうして国民が本当に知るべき情報から遮断されている間に、日本の土地やインフラ、貴重な技術や文化が売り飛ばされているのです。
〈このままでは私の祖国日本と、日本人の大切な宝物が、根こそぎ奪われてしまう〉
そんな強い危機感を抱いた私は、2020年1月に、緊急講演会を開きました。ウォール街にいた時に学んだ、「お金、人事、歴史」の3つを柱に、日本国民へ危険を知らせるためです。
日本売りの歴史は、日米関係と切っても切れません。
ではアメリカを動かしているのは誰なのか?実は「お金」というシンプルな視点で見ると、今起きていることの全体像が簡単に見えるのです。
その講演会の内容をまとめた『株式会社アメリカの日本解体計画』が2021年に刊行されると、口コミでどんどん広がり、たちまち15万部を超える異例のベストセラーになりました。
そこで、さらにもっと多くの国民にこの真実を知らせるために、マンガでの再出版を決めました。
本書の舞台は「今だけカネだけ自分だけ世界」の中心地と言われるニューヨークのウォール街。フリージャーナリストである主人公の青年は、アメリカに渡り取材を重ねる中で、日本が売られる背景にいる勢力の存在を知り、ショックを受けながらもあっと驚く真実に近づいて行きます。そして読みながら私たちも、一つの点に過ぎなかった違和感が、別な点と繋がり線となり、面になり立体になって、やがて霧が晴れるように、その正体が見えてくるでしょう。
世界全体を動かすシステムの前で、個人の力はあまりにも小さく思えるかもしれません。でも私たち一人ひとりが、何が起こっているかを知り、守るべきものを決め、ゲームのルールを知ったら、必ず変わるのです。
自らの頭で考え、意志を持つ国民は簡単に騙せないからです。自分や家族、子供たちと祖国を守りましょう。
このマンガを読み「未来はまだ自分たちで選べる」と少しでもあなたが思ってくれたら、こんなに嬉しいことはありません。by 国際ジャーナリスト 堤 未果