戦後になって、陸軍中将・上村幹男は遺書を遺して自決しました
彼の目に映る戦後は、もはや彼の知る日本ではありませんでした。
歴史を忘れ、国を忘れ、同胞とともに生きることを忘れた日本人は、もはや日本人でも何でもない、極東の島に棲息する一人種に過ぎないように思われたのでしょう…
しかし、その遺書の最後には、「日本がもう一度再起することを願ってやまない」と書き残しています。
〈日本の国土希くは祖宗の遺訓に蘇りて新たなる道義を確立し、空しく異境の九天に彷徨する予の魂魄をして帰趨するところあらしめんことを〉
日本人のほとんどは、アメリカにエネルギー事情を握られて、ギリギリのところで生かされているということを知りません。
それもそのはず、戦後日本の政治家や官僚は、戦うことなど、初めから放棄しているからです…
戦後の日本は、口を開けば「平和」を唱えてきました。
でもその「平和」がどれほど頼りないものであるか、どれほど侵されやすいものであるか…
先の大戦では、資源を持たない大日本帝国は、アメリカに石油を止められ、首を絞められたことで、「平和」が奪われました。
その「平和」を取り戻すために、我々のおじいさんたちは命も顧みず戦場へと向かいました。
自分の命は果てたとしても、後世の日本人に「平和」が訪れるように、と……
そうした先人が、いまアメリカの属国に甘んじている状況を見て、何を思うでしょうか?
彼らの期待をやすやすと裏切ってしまって良いものなのでしょうか?